バイオ

 トム・ヨーク(Thom Yorke、本名:Thomas Edward Yorke、1968年10月7日 -)は、イギリス・オックスフォード出身のミュージシャン。エクセター大学卒業。身長は5フィート6インチ(約168 cm)。
 英国を代表するバンド・レディオヘッドのメンバーであり、ボーカル・ギター・シンセサイザー・ピアノを担当する。バンドの楽曲のすべての作詞を手掛ける。作曲もメンバーで最も貢献度が高いと言えるが、レディオヘッドの楽曲の多くはデモや大枠をトムが作り、アレンジをメンバー5人とナイジェル・ゴッドリッチで議論しながら行うというスタイルをとっているため、一人でバンドのすべての曲を一から十まで作曲しているわけではない。ソロアーティストとしても活動。
 第三世界の人権問題や環境問題を軽視するコマーシャリズム、グローバリズムに嫌悪感を抱いており、貿易法改善を呼びかけるといった社会運動にも積極的に参加している。
 楽曲の歌詞にも政治、社会問題に関連して(多くは婉曲的に)書かれたものがいくつか存在するが、その多くは何らかの扇動的意識や不特定多数への問いかけを内包しているというより、むしろ皮肉的、厭世的なものであり、ここは同じく政治的な歌詞が目立つU2のボノやREMのマイケル・スタイプとの大きな相違点である。

略歴・生い立ち
・1968年10月7日、イギリスのウェリングバラに生まれる。
生後間もなく化学工業関係に勤めていた父グレアムの仕事の関係でスコットランドに転居。
・1976年、父の仕事の関係でイギリス南部へ再び転居。
八歳の誕生日に安いスパニッシュ・ギターをプレゼントされる。人生で初めて熱中した楽器となり、短期間だがギタースクールにも通った。
・1978年、引っ越し続きだった一家はようやくオックスフォードに落ち着く。1980年まで、オックスフォード、ウィットニーのスタンドレイク英国教会小学校に通った。後に弟のアンディ・ヨークも入学。母バーバラは教師で、その学校の教壇に立っていた。
・1978年、10歳でスクールの友達と生まれて初めてバンドを結成。楽器ができるのがそもそもトムだけで、「バンドというよりギターの配線を面白おかしくして燃やしたりする科学グループ」(Q誌)だったらしい。
・1979年、11歳で生まれて初めて作曲を行う。曲名は「Mushroom Cloud」で、原子爆弾の爆発を歌った曲。「(きのこ雲の)恐ろしさではなく、ただ単純にその見た目について書いた曲」と、後年インタビューで話している。(1998年Opinion誌)
・1981年、アビントン・スクールに入学。
・1982年、コリン・グリーンウッドら、スクールの友人達とパンクバンド「TNT」を結成。その後コリンとトムの二人は隙を見て脱退。
・1985年、エド・オブライエンをギターとして勧誘し、三人をオリジナル・メンバーとしてバンドを結成。メンバーは流動的で、一時はホーンセクションが在籍していたこともあった。その後、リズムを刻んでたドラムマシンが故障したため、上級生のドラマーフィル・セルウェイを勧誘してレディオヘッドの前身「オン・ア・フライデー」結成。兄のバンドに入りたがっていた当時15歳のジョニー・グリーンウッドをサポートメンバー、キーボードとして入れる。
・1987年、スクール卒業。一年間いくつかのバイトを転々として生計を立てる(ほぼ全てクビになるか自分から辞めており、一つも長続きしていない)。
・1988年、トム単身でエクセターに移り、エクセター大学に入学。バンドは一時休止。大学で将来の妻レイチェル・オーエンスと出会う。
大学では一時的に「ヘッドレス(ヘッドレス・チキン)」というバンドに参加。メンバーの一人、ジョン・マティアス(ザ・ベンズではコーラス・ストリングスに参加)はメジャーデビューしており、現在も活動中。ザ・ベンズ収録の「High&Dry」はこのバンドでトムが書き下ろした曲。
・1991年春、単位を取得しエクセター大学卒業。ヘッドレスを抜けオックスフォードへと戻る。オン・ア・フライデー活動再開。ジョニーをギタリスト兼キーボーディストとして正式加入。
・1992年、EMI傘下パーロフォンと契約。レディオヘッドとバンド名を変えてメジャーデビュー。
・2001年2月、学生時代からの恋人であるレイチェル・オーエンスとの間に息子ノアが生まれる。
・2006年7月5日、初のソロ・アルバム『The Eraser』を発売。

使用楽器
 エレクトリックギターはフェンダー・テレキャスター系をメインにしており、近年はテレキャスター・カスタム、テレキャスター・デラックスといった派生モデルを多く使用する。テレキャスター以外にも、リッケンバッカー、ギブソン・SG、フェンダー・ジャズマスターなども曲によって使い分ける。エレアコも多く使用し、特にOK コンピューター以降は使用頻度が高い曲が多い。エフェクターは歪みとディレイを中心とした汎用的なシステムを使用。ツアーごとに買い替えているのか頻繁にエフェクターは変化するが、歪み+空間系という基本的な構成自体はデビュー当初から変わらない。アコースティックギターはほぼアコースティックギグ専用であり、エフェクターでダイナミックに音色を変化させる必要のある曲が多いため、通常のギグでは基本的にエレアコを使う。
 グランドピアノ、スタンドピアノ、シンセサイザー、ハルモニウムなどの鍵盤楽器も使用する。ピアノはヤマハのものが多いが、ツアーとスタジオで同様のものを使用することは少なく、同じ曲でもギグによって違ったメーカー、型のものを演奏していることが多い。
 その他、タンバリン、ミニドラムキットなど、曲に合わせて演奏する楽器は大きく異なる。

歌唱・演奏スタイル
 美しい高音の裏声を多用した歌唱スタイルが特徴。「女性や子供のよう」とも形容されるこの歌声は同時にトムのコンプレックスでもあり、Kid Aでは意図的にそのスタイルを封印して歌声をノイズやエフェクトでかき消したりなど、時期によって試行錯誤を重ねている。パブロ・ハニー期には線の細い歌声とは正反対の、エモーショナルなシャウトを用いていたこともあった。現在では本来の高い裏声をメインにした歌唱に戻っており、2006年のソロアルバム以降のインタビューでは「僕にはこの声しかないって改めて分かった」などと語っている。新作イン・レインボウズでは裏声のファルセットを昔以上に多用している。
 レディオヘッドの楽曲は一部のプログラミング主体の曲以外、トムの弾き語りを基調にバンドサウンドを肉付けしていくものが非常に多いため、トムのギタープレイはその多くが、伴奏となるコードプレイもしくはリフ主体であり、ギターノイズやリードプレイは通常エド・オブライエンとジョニー・グリーンウッドに任せている。しかし、多くのバンドのギターボーカルがプレイしているようなストロークだけの単調なプレイは少なく、歌いながらメロディーラインとは全くリズムの違うリフを弾いていたりなど、ギター歴が非常に長いだけあって目立たないながらも技術は高い水準にある。デビュー初期は非常に低い位置でギターを構えていたが、現在は標準もしくはやや高め。
 鍵盤楽器はKid A以降から本格的に演奏し始めたうえ独学の部分が大きいため基本的に弾き語り以上のプレイはせず、シンセサイザーに関しても「プログラミングや演奏はジョニーやコリンのほうが得意」と語っている。

編集者 Kobaian001 (2009年 03月 22日 11:20)

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