Karlheinz Stockhausen
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ケルン郊外のメトラート村で生まれる。父親は大学の講師でピアノを弾き、母親は裕福な農家の出身であった。母親は、カールハインツが4歳のときに精神を病んで入院したが、後にナチス政権下で安楽死させられたと思われる。父親は第二次世界大戦末期の1945年に東部戦線に出征し、行方不明のまま戻ることはなかった。
6歳時よりピアノを習っていたカールハインツは、1947年、ケルン音楽大学のピアノ科に入学、スイスの作曲家フランク・マルタンに理論を師事する。在学前と在学中はジャズ等のピアニストとして生計を立てていたが、同時にケルン大学にも籍を置き哲学などの思索にふけった。この大学の音楽学学科には晩年になっても定期的に訪れ、特別講義を担当していた。音楽大学音楽教育科を卒業した 1952年頃ころから作曲家になる決心をしたと本人はSWRのインタビューで語っている。若いときの大変な苦労が元でよく病気になり右の片耳が一生聞こえないのは余り知られていないが、この問題が後世の指揮活動や特にヘッドホンをつけたミキシングのバランス感覚などに多大の影響を及ぼした。
1952年にはフランスに移り、パリ国立高等音楽院に入学、オリヴィエ・メシアンの分析クラス、ダリウス・ミヨーの作曲クラスにて学んだ。第二次世界大戦後の前衛音楽の時代において、フランスのピエール・ブーレーズ、イタリアのルイジ・ノーノらと共にミュージック・セリエルの主導的な役割を担った。
1977年から2003年まで、7つのオペラから構成される長大な連作「光(LICHT)」の創作に携わり、最終作である「日曜日」の第3場面「LICHT-BILDER」が、2005年の自身の28年ぶり来日の際に東京の夏音楽祭にて演奏された。2004年以降は、一日の24時間を音楽で表現する24の連作「音(KLANG)」を作曲していたが、全曲の完成は叶わなかった。
1961年にケルン郊外の村、キュルテンに土地を購入し、自身の要望どおりの家を4年ほどかけて建て、以後はその家で過ごした。1998年からは毎年キュルテンで「シュトックハウゼン講習会」を開催、後進の指導に熱心に取り組んだ。2007年にキュルテンの自宅にて、モーツァルトの命日と同じ12月5日に帰らぬ人となった。
シュトックハウゼンも創作初期は「ソナチネ」や「ドリスのための合唱」など、意外なほど伝統的で新古典主義的な作風を出発点とした。しかし、オリヴィエ・メシアンの「音価と強度のモード」を聞き、シュトックハウゼンの音楽生活は一変する。この作品を数百回も繰り返し聞いた(P・グリフィス、1983)事が契機となり、ブーレーズやカレル・フィヴァールツのトータル・セリエリズムから多大な刺激を受け、シュトックハウゼンはセリエリストの泰斗になることをここで決意した。ダルムシュタット夏期講習会では20 代で既に講師を務め、当然日々セリエリズムなどの音楽議論を回り、ピエール・ブーレーズやルイージ・ノーノと熱い議論が戦わされていた。
典型的なセリエリズムに基づく「点の音楽」から「群の音楽」、「モメント形式」へと作曲技法を発展させ、それと並行するように不確定性や多義性を伴った形式の試みも行われているが、これらの全てがセリエリズムの延長線上にあることは非常に重要である。この姿勢は現在に至るまで一貫している。「コントラ・プンクテ」、「ピアノ曲I~IV」並びに「V~XI」、「グルッペン」、「ルフラン」などの作品は世界中のどの教科書にも掲載されるほどの「代表作」とされ、現在でも聴き応えのある秀作が並んでいる。理論に忠実に作品を書くことを装って、実は個性的な逸脱に溢れている作品を残す態度は既にこの頃から顕在化している。
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